硫化水素を発生させる中学校の理科の実験中に、気分が悪くなり、病院へ救急搬送される事故が全国で相次いでいる。この2カ月で少なくとも、秋田、茨城、愛知、福岡の5校で44人が搬送された。硫化水素の実験はなぜ必要なのだろうか。
硫化鉄に塩酸をかけ
福岡県飯塚市の中学校では6月2日午後、硫化水素の実験を実施した。市教育委員会によると、中学2年生の31人の生徒が参加したという。
実験ではまず、乳鉢の中で、鉄と硫黄を混ぜ合わせる。その化合物を熱して「硫化鉄」を作る。その硫化鉄に磁石をくっつけてみると、鉄ならくっつくはずの磁石がつかない。異なる物質になったことがわかる。
次の段階では、硫化鉄から米粒ぐらいの固まりを取り出し、試験管に入れる。その上に薄めた塩酸をかけると、「硫化水素」が発生。硫化水素は直接臭いを嗅ぐのではなく、手であおいで嗅ぐように指導したという。
ドアや窓は開け放ち
だが、授業が終わった後に「…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル