「危険なので注意するつもりでやった」として、駅のホームで歩きスマホをしていた女性に対し肘を突き出し、体当たりをしたとして男が逮捕された事件。男は歩きスマホを見つけては、週に3度も体当たりを繰り返していたという。
それだけではない。「ケガしたら危ない。警察がやらないから自分が」と、道路にはみ出た看板やのぼりを毎日チェックし注意、そして破壊した男性、路上シンガーが「許可なく歌っている」と、CDを購入した上で目の前で破壊、公園で休んでいた女子高生に対し「サボっている」と思い込み暴行するなど、自分が正しいと思ったことを相手に押しつける行為のエスカレートは後を絶たない。
それはネットとの関連でも増幅されている。あおり運転の加害者の個人名と写真を特定・拡散、芸能人が「いい天気」と書くと「大雨の被災地があるのに」と不謹慎さを指摘する、「こいつがいじめの犯人です。特定しました」「ずっと立ち読み、マジで邪魔。晒してやる」「まだ被災地は大変なのに…気持ち考えて、不謹慎」…と、いわゆるネット自警団、特定班、不謹慎狩りは日常茶飯事だ。
フリーアナウンサーの柴田阿弥も、「通っていたのが校則の厳しい学校で、私はバレないようにこっそり校則を違反していた。ある時、それをネットで全て調べ上げて、学校に提出した人もいた。先生には分からない、ファンでないと分からないレベルのもので、しかも親御さんを使って苦情の電話をする人もいた。あれも正義感の一種からだったのではないかと思う」と振り返る。
AbemaTV『AbemaPrime』では、こうした“自分なりの正義感“を振りかざし、他人に制裁行為を続けてきた男性・Aさんの取材に成功した。
Aさんが行ってきたのは、ネットにアップされている未成年者の飲酒・喫煙情報を探し、本人に指摘。さらに、やりとりを公開・拡散するといったものだ。現在、Twitterのフォロワーは10万人を超えており、「僕のツイートがそのような行為の抑止になる」と考えている。
ネット以外でも注意したり、制裁を加えたりしたことはあったが、効果は期待できなかったという。そこでネットを使って制裁することをスタート、フォロワー情報提供や依頼を元に、日々活動している。「不特定多数が閲覧できるSNS上に載せたのは、あくまで本人たちだ」とし、達成感を覚えていると話す。
そんなAさんに、“正義“について尋ねてみると、「自分が正しいと思えることを貫き、その信念に基づき行動できることだと考えている。前提として、絶対的な正義というのはこの世に存在していないと思う。だからこそ正義感のぶつかり合いが起こるのだと考えているし、結果として勝った側が正義となるのが現状だ」と答えた。
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Source : 国内 – Yahoo!ニュース