今春、茨城・水戸への転勤が決まり、記者(33)はスマートフォンで趣味のランニングイベントを探していた。
「茨城産メロンが食べ放題」
指先が止まった。
茨城がメロン生産量全国一だということも知らなかった。だが、メロンに加え、日本三名園の一つ「偕楽園」(水戸市)の借景とされてきた千波湖(せんばこ)の自然も堪能できるという。迷わず大会への参加ボタンをポチッと押し、10キロの種目に申し込んだ。
今年で6回目を迎えた「茨城メロンメロンラン水戸偕楽園」。コース途中にある補給所のメロンポイント(別名は給メロン所)は、茨城産メロンが食べ放題だ。一部ではメロンソーダも提供された。
2016年に始まったが、新型コロナ禍のため20年は中止になり、21~22年はそれぞれの場所で走り申告するオンライン開催のみだった。今年は、4年ぶりの千波湖での開催とあって、県内外から4229人がエントリーし、4500個のメロンが用意された。
3キロ、5キロ、10キロの3種目と、3キロの親子ランから選べる。メロンポイントは距離が長くなるほど多くなる。千波湖を1周する3キロコースは1カ所、偕楽園公園の梅林まで足を延ばす5キロコースは2カ所、10キロコースは4カ所のポイントがある。
6月11日の大会当日はあいにくの雨。午前10時、千波湖西側の徳川光圀公像広場前にスタンバイすると、号砲を合図に約千人のランナーと一緒に駆けだした。
スタート付近でカメラを構えていた後輩記者に笑顔で手を振ったものの、数百メートルほどで、すねに痛みが走る。ダイエットのため、4年前にランニングを始めたが、忙しいことを言い訳に3カ月ほどさぼっていた。
手元の時計で10分18秒…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル