高島曜介 笹山大志
国家公務員倫理規程に違反したとして国土交通省は26日、久保田雅晴航空局長(58)を戒告の懲戒処分にし、発表した。久保田氏は、国交省OBの人事介入問題で企業に省OBの社長就任を求めていた元事務次官らと、一連の問題が報じられる前に会食をしていたが、この際に利害関係者から飲食の提供を受けていたという。国交省は「誠に遺憾」としている。
国交省によると、久保田氏は3月28日、元国交事務次官で東京地下鉄(東京メトロ)会長の本田勝氏(70)ら複数と会食をしていた。朝日新聞が本田氏の人事介入問題を報じる2日前だった。
会食について、斉藤鉄夫国交相は国会で「会費は払ったと報告を受けた」と説明していた。しかしその後の調査で、久保田氏が支払った会費は8千円で、実際にかかった費用は1人あたり1万9085円だったという。差額は会食に参加していた事業者側が負担していた。
また久保田氏は1080円の土産も業者側から受け取っていた。この事業者は、久保田氏が一昨年6月まで務めていた公共交通・物流政策審議官時代の利害関係者にあたるといい、利害関係者からの供応接待や物品の贈与を禁止する国家公務員倫理規程に違反すると判断した。
久保田氏は会食発覚後、省内の調査に対して会食の目的は「地域経済の状況や航空事情についての意見交換」であり「再就職のあっせんに関わる話はしていない」と説明したという。この会食について国交省は、内閣府の第三者機関である再就職等監視委員会に調査を申し入れている。
■国交省の説明後に疑念次々…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル