原子力発電所にたまる使用済み核燃料をめぐり、関西電力の計画に対して福井県内で反発が広がっている。関電は一時保管する施設を県外に確保すると約束してきたが、燃料の一部を研究目的で海外に運んで理解を得たい考えだ。専門家は「問題の先送り」と批判する。
28日、大阪市内で開かれた関電の株主総会。使用済み核燃料の搬出計画について、株主からは「福井県民をだまそうとしている」などと発言が相次いだ。総会後に記者会見した森望社長は「地域の皆様にご理解いただけるよう説明したい」と話した。
使用済み核燃料は原発施設内の貯蔵プールにたまり続けている。福井県内にある関電の3原発では5~7年ほどでプールがいっぱいになる見通しで、福井県は燃料を移して一時保管する「中間貯蔵施設」を県外に造るよう求めている。
関電は2018年末までに候補地を示すと約束していたが、先送りを繰り返してきた。「最終期限」を23年末とし、守れなければ美浜3号機と7~9月に再稼働予定の高浜1、2号機の老朽原発計3基を停止する方針も示していた。
「約束はひとまず…」と関電社長
こうした中、森社長は今月12日に杉本達治知事と面会。高浜原発の使用済み核燃料の一部を研究目的でフランスに搬出する計画を説明した。その上で、「県外に搬出される意味で中間貯蔵と同等の意義がある。約束はひとまず果たされた」との考えを伝えた。
ある関電幹部によると、森社…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル