アウトドアブームの追い風も受けて人気の日本古来のシンプルな毛針釣り「テンカラ釣り」。そんな渓流釣りの漁法に精通する愛知工業大名誉教授の石垣尚男さん(76)は、釣り番組や専門誌の記事に何度も取りあげられ、今や「テンカラ大王」と称される。その石垣さんが、渓流釣りの普及に力を入れる山村で講習会を開くと知り、技の極意を聞きに記者も足を運んだ。
6月18日午前、「木曽川源流の里」を掲げる長野県木祖村の公民館小木曽分館には県内外から20人の参加者が集まった。顔ぶれは、テンカラ釣り歴10年を超すベテランから、6千円のさおをネット通販で取り寄せた初心者まで幅広い。
テンカラ釣りはリールを使わず、延べざおと呼ばれるシンプルなさおから垂らした糸の先に、水生昆虫やカゲロウに見立てた1センチ大の毛針をつけて渓流魚を釣る方法だ。何度もエサを付け替える必要がない「省エネ」な釣り方で、江戸時代には職業漁師が好んで使った漁法とされる。
釣り上げるポイント4点とは
石垣さんによると、テンカラ…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル