島脇健史
大阪府枚方市の枚方東消防署で2021年5月、更衣室のロッカーに火をつけたとして署所属の元消防士の20代男性が懲戒免職された問題で、枚方寝屋川消防組合は4日、元消防士にパワハラを繰り返したとして、当時上司だった30代男性消防士長を減給10分の1(1カ月)の懲戒処分にしたと発表した。組合は「パワハラが(火災の)一因だった」と説明している。
組合によると、元消防士が「職場内でいじめ・パワハラがあり、表面化させるために放火した」と組合の調査に話したことから、組合は21年6月、弁護士らでつくる「ハラスメント審査委員会」に調査を依頼。審査委は今年6月、消防士長が21年4月から約2カ月にわたり、当時部下だった元消防士に「しばきあげるぞ」などの暴言を繰り返していたという。さらに、ほかの職員の胸ぐらをつかむといったパワハラ行為も合わせて認定したという。
記者会見した組合の伊藤高博消防次長は「審査委の報告を重く受け止め、組織の風土や体質を改善していく」と話した。
この火災は、元消防士が21年5月24日朝、署内の同僚が使う更衣室のロッカー内の衣類にライターで火をつけたとされる。元消防士は建造物等以外放火容疑で府警に書類送検され、大阪地検が不起訴処分(起訴猶予)とした。府警の調べに容疑を認め、組合が懲戒免職処分としていた。
組合はこのほか、寝屋川消防署副署長を減給10分の1(6カ月)、50代男性消防司令を減給10分の1(1カ月)、50代男性消防士長を戒告の懲戒処分にした。
組合によると、20年3月、出張所で消防士長がふざけて扉を蹴り、20代男性消防士の指を骨折させる全治6週間のケガを負わせた。しかし、報告を受けた副署長らは、消防士長が職場に居づらくなると思い、「誤って」扉を閉めた事故であるとの虚偽の報告書を作成。地方公務員災害補償基金に公務災害認定を申請したという。公務災害はいったん認定されたが、申請が虚偽であるとして、その後取り消された。けがをした消防士の同僚からの報告で発覚したという。(島脇健史)
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル