6日午前3時10分ごろ、静岡市清水区尾羽の国道1号静清バイパス下り線の工事現場で、「橋桁(げた)が崩れてけが人がいる」と110番通報があった。警察や消防によると、高架化工事中に橋桁が落下し、作業員ら30~70代の男性8人が巻き込まれた。このうち2人が死亡し、6人が重軽傷を負った。静岡県警は業務上過失致死傷容疑も視野に捜査している。
県警や国土交通省静岡国道事務所によると、死亡したのは室田久生さん(53)=名古屋市天白区=と前田要さん(51)=北九州市八幡西区。
落下した橋桁は鉄製で長さ63メートル、幅2・5メートル、重さ140トン。橋脚の中央付近に置かれた橋桁をジャッキを使って横にスライドさせ、固定する作業中、何らかの原因で橋桁が約9メートル下のバイパスの歩道に落下したという。事故当時、作業員約20人と警備員約10人が工事に当たっていた。下り線は交通規制が行われ、一般の車両は通行できなかった。
工事は、「名村造船所」(本社・大阪市)と「日本鉄塔工業」(本社・東京)が共同企業体として受注。今回の事故を受け、国交省は各地方整備局などに、全国で実施している同様の架設工事の一時中止と安全点検の実施を指示した。
静清バイパスは静岡市の駿河区と清水区を結ぶ延長24・2キロの幹線道路。2016年から渋滞緩和などのために一部区間の高架化工事をしており、26年春ごろに上り線が開通する予定だった。
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル