環境汚染や貧困問題の解消に向けた産業づくりにつなげようと、総合地球環境学研究所(京都市)が、インドネシアの伝統刺繡(ししゅう)「カラウォ」の展示会を京都と愛媛で開く。ハンカチやテーブルクロスといった布製品のほか、京扇子など日本文化と融合させた作品を展示。来日した現地の職人が指導するワークショップも予定している。
カラウォは、スラウェシ島北部のゴロンタロ州に伝わる刺繡で、布の糸をカミソリの刃で切って抜いたうえで、細かく糸を縫い込んでいくのが特徴。小規模な金採掘に代わる産業として、地球研の研究プロジェクトが支援してきた。
小規模金採掘は、地球規模で広がる水銀汚染の原因になっているが、収入のために働かざるを得ない人もいる。カラウォなどほかの持続的な産業を育てることで、汚染問題の解決にもつなげたいという。プロジェクトには、日本の刺繡団体や専門店も協力。現地の伝統的な模様にとどまらず、多様な作品を展示する。
カラウォ展は、7月9日から11日まで京都市中京区のウィングス京都、14日から16日まで愛媛県西予市城川町の四国西予ジオミュージアムで。無料。(佐々木英輔)
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル