増水した用水路に男児　気づいた中学生3人、連係プレーで救助

　6月の豪雨で増水した用水路に落ちた小学2年の男児を救助した中学3年3人に12日、和歌山県警岩出署から感謝状が贈られた。3人の「連係プレー」で男児は擦り傷程度で無事だった。

　感謝状が贈られたのは、和歌山県岩出市立岩出第二中の川端悠太さん（14）、田中悠大さん（14）、長田琉伽さん（14）。

　6月2日、大雨で中学校は登校後に休校になった。3人で下校途中の午前10時ごろ、岩出市尼ケ辻で「助けて」と声がするのを川端さんが聞いた。振り返ると、流されまいとして用水路の縁をつかんでいる男児を見つけた。すぐに田中さんは流れの速い用水路に入り、川端さんと長田さんが小学生を引っ張り上げた。

　同署によると、現場周辺の道路は冠水し、水深約80センチの用水路の流れも速かったという。この日は小学校も登校後に休校となり、男児も集団下校していたが、ほかの児童と別れて1人になったところで用水路に落ちたとみられる。男児は擦り傷のみで大きなけがはなかった。

　川端さんは「その時はびっくりした」、田中さんは「考える間もなく体が動いた」。長田さんは「1人の子が犠牲にならなくて、よかった」と当時を振り返った。

　岩出第二中の寺本亮校長は「危険な中だったが、よく助けてくれた。3人は学校の誇りです」とたたえていた。（寺沢尚晃）