ライター・町田正聡
60人の児童が奏でる楽器のハーモニーが、ホールいっぱいに広がる。小学生の部で最多の人数で臨んだ清和は、おそろいの水色のポロシャツ姿がよく映えた。演奏を終えると、保護者らが笑顔で迎えた。
「みんな非常に熱心です。保護者は大きな楽器の運搬や週末の練習の送り迎え、差し入れなどで支えてくれています」と、同校吹奏楽部を指導する東多津子先生(69)は話す。「それは、どこの小学校でも同じでしょう」と強調した。
17日の小学生の部には37団体が参加した。この数は他県に比べ、かなり多い。
昨年の九州・沖縄の県ごとのコンクールで、小学生の部の参加団体数をみると、鹿児島が36で、熊本の14、沖縄の8と続く。県人口が圧倒的に多い福岡は2団体にとどまる。鹿児島の多さは突出している。
さらに昨年の九州大会では、出場した22団体のうち鹿児島勢が10団体と半数近くを占めた。この傾向は例年変わらず、「九州大会なのに鹿児島大会みたい」との声も聞かれる。
なぜ、鹿児島の小学校で吹奏楽が盛んなのか。
県吹奏楽連盟の永井哲理事長(61)は「直接的な関係はないかもしれないが、歴史的な土壌が背景にあるのでは」と話す。
鹿児島は「吹奏楽さきがけの…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル