アーティスト活動休止中の男女混合グループ「AAA(トリプル・エー)」のメンバー與真司郎(SHINJIRO ATAE)さん(34)が26日、東京・渋谷でファンに向けたイベントを開き、自らがゲイであることをカミングアウトした。現在、ハリウッドで自身の半生を題材にしたドキュメンタリーを制作中だという。
イベントの冒頭、與さんは、ファンへのカミングアウトを決意するまでの葛藤をつづった手紙を読み上げた。
子どものころは、LGBTQ+を「面白おかしく取り上げる時代」だったため、「自分が間違っている」と悩んでいたという。しかし、海外で男性同士がキスしている様子を見て、「LGBTQ+の人でも堂々と幸せになる道があるんだと希望がわいてきた」と語った。
また、LGBTQ+当事者の自殺リスクが高いという調査データを紹介し、「自分のことを責め続けて、最終的に耐えられずに追い込まれてしまう方が、これだけ多く存在するということを、一人でも多くの方に知ってもらいたい」と呼びかけた。
涙ぐんで言葉に詰まった與さんに、会場のファンから「頑張れ~」「大丈夫だよ」などの言葉がかけられる場面もあった。
音楽活動の再開となる新曲も発表。売り上げの一部を日本の性的少数者支援団体に寄付することを明らかにした。
與さんは6月15日付で公式サイトに「皆様にいままで通り応援、後押しして欲しいと思っておりますが、理解していただくのが難しい内容だとも認識しております」などと記載。「僕の人生をかけた挑戦」について直接ファンに会って伝える決意を明らかにしていた。
與さんは2005年、AAAのメンバーとして、シングル「BLOOD on FIRE」でデビュー。AAAは同年末の日本レコード大賞最優秀新人賞を受賞した。19年に単独公演を開くなどソロアーティストとしても活躍していたが、20年末にAAAがグループとしての活動を休止。ソロとしても、21年の全国ツアーを最後にアーティスト活動を休止していた。
現在は米国に滞在し、アパレルや雑貨などのブランドプロデューサーとして活動している。(杉原里美)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル