台風19号の豪雨で長野県内の千曲川が氾濫した影響で、JRの車両基地にある北陸新幹線10編成が、車体の半分近くまで水没した。浸水した新幹線の写真がメディアやネット上で流れ、利用者らに衝撃が走っている。
ダメージは大きく長期化するのではないかとの懸念の声が、ツイッターなどで広がっている。JR東日本では、「状態を見ないと、何とも言えない」と話している。
■「水没したら廃車?修理にめちゃくちゃ金かかりそう」
「とてもショッキングだ」「水没したら廃車?修理にめちゃくちゃ金かかりそう」「見るのが辛い…」。2019年10月13日早朝、茶色い水の中で、わずかに鼻を出したような新幹線の写真がツイッターに投稿されると、こんな溜め息が広がった。
長野市赤沼にあるJR東日本の長野新幹線車両センターでは、千曲川氾濫の影響で北陸新幹線計10編成(1編成12両)が浸水する被害に遭った。車両センターは、JR長野駅から北東に約10キロ離れたところにある。社員は安全な場所に避難しており、ケガ人はいないという。
しかし、13日午後に運転再開予定だった新幹線の「かがやき」と「はくたか」は、同日は終日運休することになった。金沢―富山両駅間の「つるぎ」は通常運転する。
投稿写真では、屋外の7編成が水浸しと分かる状態で、ツイッター上などでは、今後の影響について様々な憶測が流れた。「半年はかかると考えたほうがいいのか」「多分1年コース」「これ北陸新幹線の本数相当減るんかな」「大幅な間引き運転は覚悟しないと」といったものだ。
また、JRの台風対策の甘さを指摘し、「なんで高架線に逃がしてないの?」「車両の留置のあり方の見直しが必要になってくる」といった疑問や批判の声も多かった。
「昼過ぎ時点で水が引いておらず、詳細が調査できていない状態」
被害状況について、JR東日本の広報部は10月13日、10編成のうち3編成は、敷地内の青い屋根の車庫に保管されていたが、浸水は免れなかったと、J-CASTニュースの取材に答えた。
北陸新幹線は、JR東日本のE7系が19編成、JR西日本のW7系が11編成で、計30編成がある。そのうちの3分の1にダメージが出た形だ。今後のダイヤに与える影響については、こう言う。
「昼過ぎ時点で水が引いておらず、詳細が調査できていない状態です。状態を見ないと、明日以降の本数が減るかは何とも言えません。長期化するかどうかも、分からないです。20編成はまだ生きていますので、どう運用するかにかかっていると思います」
全損か修理可能かも分からないとし、上越新幹線などから補充するかについても、まだ答えられないとしている。
事前に対策を取れなかったかについては、「想定以上の降雨量でした。事前に何かしらできる対策があったのかもしれませんが」と述べるに止まった。今後も、大雨のときに他の車両基地でも同様な被害が考えられるが、この点については、「同じことを発生させないためにも、対策については今考えているところです」と話している。
(J-CASTニュース編集部 野口博之)
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