障害がある子どもの保育時間について、東京23区のうち、新宿、台東、中野の3区は「原則8時間まで」と制限し、区の要綱に明記していることが、各区への取材で判明した。保護者の働き方や収入に影響が出ており、保育に詳しい専門家は「より支援されるべき立場なのに制限があるというのは矛盾した状況だ」と指摘する。
午後5時までにお迎え、基本給も減額
東京都台東区に住む40代女性の5歳の長男には、身体障害と知的障害がある。0歳から区内の認可保育園に通っており、入園前の保育審査会で「加配の職員など支援が必要」と判定された。ただ区は障害を理由に、保育時間を午前9時~午後5時の8時間と制限。女性は長男の入園以降、時短勤務に切り替えざるを得なくなっている。
主に問題となるのは、夕方の「お迎え」だ。午後5時以降の延長保育は認められていないため、迎えのためには遅くとも午後4時15分に退勤しなければならない。ベビーシッターを週5日確保することも、現実的には難しいという。
午後5時以降も預かってもらえた場合、女性の生活や収入は大きく変わるようです。記事の後半では「原則8時間」としている3区に、なぜ制限を設けているのか尋ねたほか、こども家庭庁の見解も聞きました。
女性は正社員で、出産前はフルタイムで働いていた。フルタイム勤務なら支給される手当が時短勤務だと出ない。就労時間は8時間未満となり、基本給は1割以上、減額されている。
2015年に始まった国の「子…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル