飲酒運転撲滅週間中の29日正午前、博多高校上空の澄み渡った空にカラフルな500個の風船が舞い上がった。風船たちは、「ある思い」をたくさんの人たちに届けるために放たれた。
博多高校は、12年前、飲酒運転事故で命を落とした2人の高校生が通っていた学校だ。この日は、その事故で亡くなった山本寛大さん(当時16)の母親で、事故以降飲酒運転撲滅運動に力を入れてきたNPO法人「はぁとスペース」代表の山本美也子さんらが企画・主催し、「ひまわりの絆プロジェクト2023」と題した行事が開かれた。
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午前10時ごろ、1時間目の授業を終え、生徒たちが体育館に集まると、山本さんが、生徒たちに息子の寛大さんの事故について語り出した。
寛大さんが事故に遭ったその日は、高校のマラソン大会前夜だった。寛大さんは、友達の家に泊まりに行っていたため、山本さんは仕事を終えてから午後11時23分に、「明日は遅れんごと行くんよ!」とメールした。寛大さんから返信はなかった。その代わり、日付が変わって午前2時半、1本の電話があった。「息子さんが事故に遭いました。即死です」。頭が真っ白になった。
包帯でぐるぐるに巻かれた体…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル