黒田陸離
米国ハワイ州の子どもたちによるミュージカル「平和は翼に乗って」が2日、広島市中区のJMSアステールプラザで初日を迎えた。4~17歳の25人が出演し、平和記念公園内に立つ「原爆の子の像」のモデルとなった佐々木禎子さんの生涯を描いている。
ハワイ州ホノルルのミュージカルグループ「オハナアーツ」が2014年に制作。2歳のときに被爆し、10年後に亡くなった禎子さんの市立幟町小の運動会での活躍や、白血病を患って広島赤十字病院で千羽鶴を折る様子などを、伸びやかな歌声やダンスにのせて演じる。ハワイや米国本土で公演を重ねてきたが、今回、日本で初めて上演した。
出演者やスタッフは公演を前に、幟町小などゆかりの地を回った。2日の初公演で禎子さん役を演じたサンプソン恵美さん(17)は「私たち一人ひとりにも第2次世界大戦との個人的なつながりがある。広島で起こったことをハワイに持って帰って次の世代に伝えたい」と話した。
禎子さんと小学校の同級生だった川野登美子さん(81)も観劇に訪れた。「元気だったころ、病気になったころの禎ちゃんが思い出されて心が熱くなった。かつて敵国だった国の子どもたちが、広島で禎ちゃんを演じてくれたことに感激した」と話した。
公演は3日まで同会場で開かれる。(黒田陸離)
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル