学校や自治体で、一人一人の子どもの個人データを連携させたり、それをもとにAIに虐待のリスクを判定させたりする取り組みが進みます。現場からは人手不足や縦割りの解消にと期待する声もありますが、横浜市立大の中西新太郎名誉教授は「落とし穴」を指摘します。
データ化と自動化でカバー?
――学校や役所に蓄積された子どもの個人情報や生体データを活用して、虐待防止や授業改善に生かす事業が、国の旗振りで進んでいます。
国や事業者は、「人手の少なさをデータ化と自動化でカバーできる」などとして各自治体にシステムの導入をすすめますよね。
職員が足りておらず負担を減らしたい自治体は、それに乗りやすいと思います。
――まさにそのような期待は、役場の担当者から聞きます。
ごく単純なプロセスの手間を省くDX(デジタル化)なら一定の効果はあるでしょう。ただ、子どもに関わる複雑なプロセスで専門職の人手が足りていないところをAIに代替させようとしても、人手が足りないまま済ませるのは難しいでしょう。
そもそも、データ化を進めたからといって必ずしも楽にはなるとは限らないと思います。
――なぜですか…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル