台風19号の影響でJR東日本の中央線が大月(山梨県大月市)-高尾(東京都八王子市)間で運休していることを受け、JR東海は16日早朝、身延線で甲府から静岡に向かう臨時快速の運行を始めた。
山梨-東京間は中央線のほか、中央自動車道や国道20号が寸断されており、主に静岡県に迂回するルートしかなく、身延線の存在がクローズアップされている。
甲府発午前4時55分の臨時快速の乗客は2人だった。特急なら7駅目の身延までノンストップ。そこから静岡まで各駅停車になる。富士から東海道線で三島に出て、東海道新幹線の「こだま」に乗ると、品川に8時39分、東京に8時47分に着く。
東京発午後8時26分の「こだま」に乗る逆ルートで甲府に午前0時37分に到着するため、少しきついが日帰りが可能だ。
長野県茅野市の准看護師、仲俣佳子さん(39)は「正看護師になるための実習でどうしても新宿に行かなければならず、きのう甲府にたどり着いた。このルートがあってよかった」と、ほっとした様子。
普段は中央線経由で東京・田町に通勤しているという甲府市の会社員男性(49)は「新幹線の特急料金は必要だが、振替輸送なので定期券がそのまま使え、助かった」。乗客が少ないことについては「周知不足では」と話した。
3両編成の臨時快速は定刻通り、2人を乗せて静岡に向かった。(渡辺浩)
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