政府の洋上風力発電事業をめぐって衆院議員の秋本真利容疑者(48)が逮捕された汚職事件で、「日本風力開発」(東京)の前社長が、事業参画を目指す青森県・陸奥湾での事業の推進について、「秋本さんに国会質問をお願いした」とメールで社内に伝えていたことが関係者への取材で分かった。依頼の直後に秋本議員が質問すると「お願いした通りにしてくれた」とも報告したという。
東京地検特捜部は一連のメールを押収。単純な収賄罪よりも法定刑が重い受託収賄罪の成立には贈賄側からの明確な依頼(請託)が必要だが、このメールを重要な客観証拠と判断して同罪を適用したとみられる。
関係者によると、再エネ海域利用法に基づく洋上風力事業で、同社は陸奥湾の環境影響評価を2017~19年に実施した。一方で青森県は当時、県内の海域を風や水深、船舶の通行量や防衛施設への影響といった観点で調べ、洋上風力に適するかを示す地図「ゾーニングマップ」を作った。
県は19年2月25日、同社など4社に地図の原案を提供。同社の計画区域は、自衛隊の海上訓練や航空機の計器に影響を与えるとして「立地が困難」「調整が困難」なエリアに区分けされた。
国会質問で「流れが変わる」
事業の実現性を懸念した同社…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル