長崎市の平和公園近くにあった土産物店「被爆者の店」の跡地に4月、雑貨を販売するカフェが開業した。店を経営する地元出身の女性は、50年ほど爆心地周辺からは距離を置いてきたが、出店を機に少しずつ原爆と向き合い始めた。「心がざわつく場所で癒やしの雰囲気をつくりたい」と思いを新たにしている。
台風接近の8月9日も開店
1カ月前の8月9日。毎年、平和祈念式典の会場となる平和公園の来園者はまばらだった。台風の影響で式典が縮小開催となり、会場も変更された。
それでも公園のすぐ隣にある店は午前中から開いていた。店を営む吉田佳代子さん(65)は「この日はなんとか営業しようと決めていた」。悪天候のなかでも観光客らが訪れ、静かに雑談をしながら過ごした。
店舗が入るテナントにはこれまで、被爆者が人形や書籍を販売する「被爆者の店」があった。病気や障害がある被爆者の雇用の場として、長崎原爆被災者協議会(被災協)が1957年にオープン。新型コロナウイルスの影響で3年前から閉鎖状態が続き、後継テナントを募っていた。
■50年ぶりの平和公園…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル