ハノイ=多田晃子
皇室の方々はなぜ研究に打ち込むのか。ベトナムを訪問中の秋篠宮さまは、ニワトリなど家禽(かきん)類の研究をしている。昭和天皇はクラゲなどの仲間であるヒドロ虫類、上皇さまはハゼの分類学、天皇陛下は水問題。公務との相乗効果もあるようだ。
ベトナムを訪問中の秋篠宮さまは23日、首都ハノイの自然科学大学生物学博物館を訪れた。
上皇さまが皇太子時代に寄贈したハゼの標本や、秋篠宮さまが2012年の訪越時に寄贈された尾長鶏の剝製(はくせい)を鑑賞した。
秋篠宮さまは、鶏の起源と家禽化についての論文で、皇族初の博士号を取得した経歴の持ち主でもある。ナマズの専門家でもあり、若い頃は「ナマズの殿下」とも呼ばれていた。
12年に訪れたベトナムのドンタオ村では、住民が飼っていた大きな足が特徴のドンタオ鶏に強い関心を示した。
かつて国王への献上品とされたドンタオ鶏は、孵化(ふか)が難しく、気温の変化にも弱いため飼育が難しいとされる。
秋篠宮さまは「飼うのは大変ですか」などと質問を重ねた。
調査研究旅行に参加し、研究を通じて25年来の親交がある国立科学博物館の林良博顧問によると、秋篠宮さまには「世界中の面白いニワトリを見たい」との思いがあったという。
ニワトリをはじめ、馬や牛、アヒルなどの研究を続けている秋篠宮さま。現在の主なテーマは、ドメスティケーション(家畜化)で、中でも野鶏の家畜化過程とその後の品種化の要因を、各地域の生活習慣や信仰、人々の嗜好(しこう)や生物学的特徴などの視点から考察することだという。
自身を「研究者」と名乗らない理由は……
秋篠宮さまは自身を「研究の…
※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル