笠井哲也 滝口信之 力丸祥子 酒本友紀子
福島県二本松市の東北サファリパークで飼育員男性がライオンに襲われて死亡した事故で、県は29日、動物の愛護及び管理に関する法律に基づき、現場の状況確認のための立ち入り検査をした。福島労働基準監督署や県警も、運営会社の東北サファリーパークの安全管理に問題がなかったかを調べている。同社は当面の間は休園すると発表した。
午後2時前、県動物愛護センターの職員2人が、パーク内に入った。現場を見ながら事故の状況を聞き取ったり、再発防止に向けた対策についてパークの職員と話したりしたという。
事故は28日午後に起きた。ライオンのおりの中で飼育員の加藤健一さん(53)=同市表2丁目=が首から血を流して倒れているのを、別の飼育員が見つけた。加藤さんは搬送先の病院で約1時間後に亡くなった。二本松署によると、首にライオンにかまれたような傷があったという。
28日夜、報道陣の取材に応じた東北サファリーパークの熊久保勅近(のりちか)副社長によると、加藤さんは入社27年のベテラン飼育員。ライオンなど猛獣の担当で、事故時は放し飼いのライオンを寝床のおりの中に入れる閉園作業の最中だった。別の飼育員と2人で誘導用のえさをやっていたという。
熊久保氏によると、飼育員は掃除などでおりの中に入ることがあるが、ライオンと接することはない。おりに出入りするための扉はライオン用と飼育員用と二つあるが、両方を同時に開く運用になっていないからだという。
だが、今回は雌のライオンがおりに入った際、閉まっているはずの飼育員用の扉が開いていたとみられる。監視カメラの映像には、おりの外にいた加藤さんが飼育員用の鉄格子の扉が開いていることに気づき、急いで閉めようとしたが間に合わず、ライオンにおりの中に引きずり込まれる様子が映っていたという。扉は飼育員がロープを引っ張って手動で開閉する仕組みだった。
東北サファリーパークの熊久…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル