地縁・血縁が薄れ、少子高齢化が進む中、墓じまいの件数は増加傾向にあり、厚労省のまとめでは、2012年度の約8万件から21年度には約11万9千件まで増えた。家制度のシンボルともいえる大名家でさえ、継承者がおらず、「墓じまい」をしたり、絶家、つまり「家じまい」としたりする事例が相次いでいる。
仏教史に詳しい花園大学特別教授の佐々木閑(しずか)氏(66)に家制度と弔いの今後について聞いた。
――日本の家制度を代表するような旧大名家でも墓じまいが相次いでいます。
墓文化を支えた寺院のあり方や檀家(だんか)制度は徳川家康が幕府をつくってまもない1615年に発布した寺院法度によって確立されました。それから400年あまり、墓という形がなくなり、変化していくのはとめられないことで時代の必然と思います。
檀家制度は、全ての民が家族…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル