今夏も全国の警察署で、たくさんのヒマワリが咲いた。2011年に交通事故の犠牲になった幼児が大切にしていた種をもとに、京都府警から広がった「ひまわりの絆プロジェクト」の取り組みだ。この秋に収穫された多くの種も、交通事故を根絶させたいという願いとともに、各地の人々の手に届けられている。
9月5日、埼玉県警本庄署(本庄市)でヒマワリの種の収穫作業があった。ひとつの花から両手におさまらないほどとれた種は、署の窓口で、取り組みを紹介する紙と一緒に訪れた人たちに提供されている。免許更新で来署した女性(73)は「子どもの事故は心が痛む。来年自宅に植え、一層運転に気をつけます」と話した。
きっかけは、2011年11月5日に京都府木津川市で起きた事故だ。東陽大(はると)ちゃん(4)が自宅近くの道路の右端を歩行中、後ろから来た車にはねられた。数十メートル離れた友だちの家で遊んでいたはずの兄を探している最中だった。
道の端歩いていた息子 無言の電話
両親は普段、陽大ちゃんを1人で外出させなかった。だが事故前日、母の和恵さん(45)は足を骨折した。兄を追うという陽大ちゃんを止められず、「道の端っこを歩くんだよ」と念を押して送り出し、しばらく後ろから見守った。
帰宅後すぐ、陽大ちゃんに渡…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル