東京都新宿区歌舞伎町の「トー横」と呼ばれるエリアで、警視庁は9月30日から10月15日までの週末に一斉補導を実施し、13~18歳の男女計42人を補導した。一帯では未成年の喫煙や市販薬の多量摂取(OD)が確認されており、同庁は少年少女が犯罪に巻き込まれる危険があるとして注意を呼びかけている。
10月14日午後11時前、「新宿東宝ビル」そばのシネシティ広場。少し肌寒いなか、数十人の若者が集まり、地面に座り込んで話したり動画を撮影したりしていた。
「保護者と連絡はとれる?」。警察官が黒い上着の少女に話しかけた。未成年とわかると、事情を聴くために近くの交番へ案内した。
少年育成課によると、一斉補導は9月30日~10月15日の土曜深夜~日曜未明に実施。計3回で補導したのは13~18歳の男女42人で、うち「深夜徘徊(はいかい)」が41人だった。住居別では、17人が都内で、他は関東地方や静岡、新潟から上京していた。中高生は34人だった。
今年1~9月にトー横周辺で補導した男女のうち、22%が家出・無断外泊で補導された。都内全域で補導された男女のうち、家出・無断外泊の割合は1%といい、トー横周辺の「家出・無断外泊率」は高い。トー横では喫煙の割合も45%(都内全域14%)と高く、同課は、こうした「初期型の非行」からトー横に出入りするケースが少なくないという。
トー横周辺では以前から、メンズ地下アイドル(メン地下)やメンズコンセプトカフェ(メンコン)の店員に金銭をつぎ込む過激な「推し活」や、ODを繰り返す若者も確認されてきた。都内ではこうした若者の保護者らからの相談が増えていることを受け、同課は今回の一斉補導に踏み切ったという。
同課によると、トー横周辺以外も含め、1~9月、メン地下・メンコン関連の相談は約100件あり、昨年1年間の約2倍。ODに関する相談も、昨年1年間をすでに上回るという。「トー横にいる子どもを狙って、悪意ある大人が性加害をしたり、犯罪に巻き込んだりする恐れがある」として、同課は、深夜に同エリアへ近づかないよう呼びかけた。(御船紗子)
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル