サッカー日本女子代表(なでしこジャパン)のGKとして活躍し、五輪やワールドカップ(W杯)に出場――。輝かしい経歴を持つ小野寺志保さん(49)は今、地方公務員の立場で女子サッカーの発展に尽力している。勤務先は神奈川県大和市役所。サッカーや地域への「恩返し」を掲げ、今年からは障害者サッカーにも携わるようになった。
女子サッカーの黎明(れいめい)期を支えた小野寺さんは、2011年に入庁し、現在はスポーツ課スポーツのまち推進係長。「女子サッカーのまち」をうたう同市での仕事について「サッカーで交流する人たちの笑顔を見ると、この仕事につけてよかった」と感じている。
高1でクラブ入り、W杯も五輪も経験
昨年までは日本女子(なでしこ)リーグに所属する地元の大和シルフィードのGKコーチをボランティアで務めた。今年5月からは七つの団体がある障害者サッカーの一つ、CP(脳性まひ)サッカーの日本女子代表のコーチに就任した。
大和市で幼少期から育った。もともと野球が好きで、小学4年のときに入った地元のサッカーチームでは「ボールを取るのが楽しい」とGKを選んだ。中学ではソフトボール部に入ったが、高校1年から読売サッカークラブ女子・ベレーザ(現在の日テレ・東京ヴェルディベレーザ)に入り、その年の日本女子サッカーリーグで早くもベンチ入り。高校2年のときに公式戦初出場を果たした。
日本代表では1995年の世界選手権(現W杯)でメンバー入りし、96年アトランタ五輪、99年世界選手権、2003年W杯、04年アテネ五輪に出場。08年限りで一度引退した。
最初の試験は「不採用」も一念発起
現役時代、大和市では五輪出…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル