佐賀県多久市で発生し、6年にわたってくすぶり続けていた火災について、市がようやく終息を宣言した。火元は、石炭採掘のときに出る低品質の石炭(ボタ)を積み上げた「ボタ山」。なぜ、終息までこれほど時間がかかったのか。
火災があった多久市北多久町の「正院谷ボタ山」は、近くの山犬原炭鉱から出た石炭くずを10メートルほど積み上げたもので、2017年5月に地権者が伐採した木を焼いていたところ、地面に燃え移ったという。
地元の消防署が放水するなどの消火活動にあたったが、地中の石炭くずがくすぶり続け、煙が立ち上ったり、異臭が立ちこめたりしていた。このため20年12月まで定期的に放水を続け、消火や監視のために現場に出動した回数は、今年10月までに738回にのぼったという。
一方、市も19年3月からは週に1度、21年1月からは2週に1度の割合で、においの確認や水質の測定、硫化水素などの有害物質が出ていないことを確かめる大気測定などを続けてきた。同月以降、においや煙の発生はなくなり、今月10日に開かれた経済産業省と県、市の対策会議で終息を判断。16日に終息宣言をした。
九州北部は明治期以降、炭鉱…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル