鈴懸(すずかけ)と呼ばれる衣をまとい、小さな帽子のような頭襟(ときん)をかぶった山伏の姿で、長い尾根や険しい山中を歩く。伝統的な修験道の営みを復活させてきた英彦山神宮(福岡県添田町)の禰宜(ねぎ)、高千穂有昭さん(41)の取り組みが、企業や行政の協力で広がりをみせている。関係者の心をつなぐのは、日本三大修験道場のひとつ、英彦山を再興したいとの思いだ。
明治以降に途絶えた後、3年あまり前に「復活」した英彦山の護摩祈禱
福岡、大分両県にまたがる英彦山は、大峰山(奈良県)、出羽三山(山形県)と並ぶ修験道の霊峰だが、明治期の廃仏毀釈(きしゃく)の影響で壊滅的な打撃を受けた。高千穂家はもともと英彦山の修験者を統率する「座主(ざす)」の家系。有昭さんは約5年前、神職でありながら僧侶の資格を取り、長くすたれていた護摩祈禱(きとう)や、50~60キロの山道をお宮などに泊まりながら数日かけて歩く「峰入り」などの厳しい修行を復活させてきた。
修験道への回帰を目指す試みは、多くの人や企業を引き寄せた。
■返礼は「山伏修行体験」 ヤ…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル