東京都江東区の木村弥生区長(58)は26日午後に区役所で記者会見を開き、辞職を表明した。今年4月の区長選をめぐり、選挙期間中に投票を呼びかける有料のインターネット広告を流していたとして、公職選挙法違反容疑で東京地検特捜部から区長室などが24日に家宅捜索を受けていた。
木村氏は26日の会見で、家宅捜索を受けたことで「区政を混乱、停滞をさせてはならないと考えた」と説明。「ご期待いただきながら、このような形で辞職することに申し訳ない思いでいっぱいです」と謝罪した。
木村氏によると、家宅捜索を受けたことで今週予定された行事などがキャンセルになった。こうした状況が今後も続くおそれがあることや実家も捜索対象になったことなどから、捜索翌日の25日朝、電話で副区長に辞職の意向を伝えたという。辞職にあたっては地元選出だった父の木村勉・元衆院議員に相談し、「尊重する」との回答を得たとした。
一方、木村氏は8月の会見では有料のネット広告を出したのはスタッフの判断で、「監督不行き届きだった」と述べていた。今回の会見で、この認識に変わりがないかや自身の関与について報道陣から問われたが、「捜査に協力しているさなかなのでお答えは控える」などと明言を避けた。また、ネット広告以外に「他に何かしら疑いがあるわけではない」とも述べた。
木村氏は「辞める人間が新区長に対し、注文すべきものはない」とした上で、自身の今後については「捜査に協力することを第一にし、これから先のことはまだ何も考えていない」と話した。
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル