海が荒れると船体に波しぶきが凍り付き、雪だるまのようになる。かじかんだ指を湯で温めながら、さび付いた配管や電気系統の故障を修理する日々。「南極海で働く男」に憧れ、捕鯨母船の日新丸に機関士として乗り組んだ。今は水産大学校(山口県下関市)で講師を務める石田雅照さん(46)は「想像以上に過酷な仕事だった」と振り返る。
2001年に共同船舶(東京都)に入社し、南極海で鯨の群れを探す目視調査船の乗員になった。日新丸で働いたのは08年から2年間。中でも鮮明に記憶に残っているのは、米国の反捕鯨団体「シー・シェパード」による妨害を受けた時のことだ。
乗組員に「艦内待機」の指示…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル