古民家群が点在する公園に、ビビッドな髪色と服装のコスプレイヤーたちを迎え入れた。
それは、コロナ禍から生まれたウィンウィンの関係だ。
大和民俗公園(奈良県大和郡山市)には、江戸時代の民家や町屋、蔵など計15棟がある。うち3棟は国の重要文化財、10棟は県指定文化財だ。
一般の来園者は原則、居室には立ち入れない。
でも、週末のある日。
県指定文化財の一つ「旧前坊家住宅」の渡り廊下を見上げると、青いウィッグを着け、「誠」の文字が入った水色の羽織姿のコスプレイヤーがいた。
日本刀を擬人化したゲーム「刀剣乱舞」のキャラ「大和守安定(やまとのかみやすさだ)」だ。
「あ、いいですね」「これエモい」。離れ座敷に移動し、どっしりと座る裕月さん。ファインダーをのぞく真理奈さんが声をかけていた。
コスプレ撮影は、条件付きで解禁されている。その条件とは、事前打ち合わせや誓約書の提出、破損時の個人賠償責任保険への加入などだ。
この公園で10回以上撮影してきた真理奈さんは、その場の風景を生かした撮影がこだわり。「文化財の中は雰囲気がいい」。保険料以外の料金がかからないのもうれしい。
「職員さんに理解があり、奇抜な格好でも普通に接してもらえる」とも。
コスプレ撮影に温かいのは、なぜか。
古民家群の管理・運営を担当…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル