プロ野球・阪神タイガースの38年ぶりの日本一を記念して、駅弁会社「淡路屋」(神戸市東灘区)が、弁当の容器の上にかぶせる「掛け紙」だけの販売を関西主要駅や百貨店などで始めている。同社によると、約120年の同社の歴史の中で、弁当ではなく紙だけの販売は初めてという。
同社では、たこつぼの形をした陶器にタコや野菜、ご飯などを入れた「ひっぱりだこ飯」が人気商品。同社の担当者によると、弁当を食べた後の陶器はペン立てや花瓶、植木鉢、ビールグラスなど様々な形で再活用する人がいるという。
その一方、SNS上では「弁当の陶器の使い道がない」などという投稿を目にすることもあった。「それならば」と今回は逆転の発想で、あえて弁当や陶器を省き、上からかぶせる掛け紙だけでの販売を決めた。
これまで甲子園球場で弁当を販売した実績があり、球団に打診。球団の担当者も「弁当ではなく、紙だけですか?」と驚いたという。球団の許可を得て、公式ロゴや「日本一記念」の文字が書かれている。
まずは2千枚を用意し、税込み200円で18日に発売。早くも約1500枚が売れ、増刷する予定だ。
一度に10枚ほどを買う客もいるという。担当者は「正直、実用性は何もないが、飾って眺めてもらえたら」と話している。(森直由)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル