横浜・根岸森林公園の高台に、欧州の古城のような遺構がそびえ立つ。
黒ずんだコンクリート壁に枯れたツタがからまり、ガラスのない窓がベニヤ板でふさがれている。高さ約30メートルの三つの塔が、公園の芝生で弁当を広げる親子連れや犬の散歩をする近隣住民らを見守っている。
ここに、幕末の1866(慶応2)年から競馬場があった。横浜の外国人居留地で暮らす英国人らの要望で、江戸幕府が「根岸競馬場」を建設した。
【撮影ワンポイント】旧根岸競馬場の一等馬見所
歴史ある建造物はやはり、太陽が沈む間際で少し逆光がいいのではないか。記者とは午後3時に待ち合わせることにした。 到着すると、学校帰りの子どもたちがツタの絡まる建造物のふもとを元気に走り回っていた。カラフルな遊具との対比も面白い。今は立ち入り禁止の場所も、近いうちに見ることができそうだ。(相場郁朗)
「騎手と馬泣かせの難しいコースだったようです」と、公園に隣接する「馬の博物館」の伊丹徳行学芸員(45)。右回りの約1600メートルで、スタートしてすぐに曲がりながら坂を下る。幅も狭く、接触事故が相次いだという。
ほどなく日本人にも開放され…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル