宗教上の理由で食べられるものに制限があるムスリム(イスラム教徒)でも味わえる食品を集めた「ハラル対応」の自動販売機が、大分市の高崎山自然動物園に登場した。カップ麺やレトルトカレー、スナック菓子など10種類が並ぶ。設置した一般社団法人「ベジフード協会」(大分市)によると、国内では初めての試みという。
販売しているのは、いずれも専門機関からハラル認証を受けていて、価格は400~700円。今後最大15種類まで増やしていく予定だ。
観光に訪れたムスリムは現地の食べ物がハラル対応をしているか分からず、持参したものしか食べられないこともあるという。ベジフード協会は様々な理由で食事に制限がある人たちが、誰とでも一緒に食卓を囲める環境づくりをめざして活動しており、自販機設置もその一環となる。
インドネシアなどムスリムが多い国からの観光客は増加している。今月11日に自販機が置かれた高崎山自然動物園も外国人観光客が多く、ムスリムへのアピールを狙う。ベジフード協会は大分県内に設置するという条件で、計9台の同型自販機を無料で貸し出す。
代表の神田京子さん(45)は「ムスリムも安心して旅行できる環境をつくりたい。まずは存在を知ってもらい、ビジネスホテルや空港にも設置していきたい」と話している。
記者もカップ麺やカレー、スナック菓子など数点を、自販機で買うなどして食べてみた。ハラルでないものと味の違いは特に感じず、日本人の口にも合うと思った。ただ、スナック菓子の中には味付けがやや辛く感じるものもあった。(小林圭)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル