貸金業の登録がないのに金を貸し、法定上限を超える利息を受け取ったとして、警視庁は6日、東京都台東区台東1丁目にある会社「コスモ・エージェンシー」の代表、松村正雄容疑者(68)と社員の60代男を貸金業法違反(無登録営業・高金利)容疑で逮捕した。捜査関係者への取材でわかった。法人としての同社も近く同法違反容疑で書類送検する方針。
捜査関係者によると、松村容疑者らは、貸金業の登録がないのに、2020年春ごろ~23年秋ごろ、都内の複数の法人や個人に複数回にわたり法定金利(20%)の約3・5倍で金を貸し付け、不当な利息として約400万円を受け取った疑いがある。
生活経済課は、松村容疑者らが19年3月ごろ~23年秋ごろ、100を超える法人、個人に対して計数十億円を違法に貸し付け、合わせて数億円の利息を不当に受け取ったとみている。
松村容疑者らは不動産業者や飲食業者などに、不動産や銀行の通帳を担保に、審査なしで現金を貸し付けていたという。一部の飲食業者は警視庁に対し、コロナ禍で収入が減り、ヤミ金である同社を頼ったと説明しているという。
同社は1997年に貸金業者として都に登録。顧客の返済能力の調査義務違反などで18年12月に業務停止処分を受け、19年春に廃業したが、水面下で続けていたという。自社ホームページは持たず、主に口コミで客を集めていた。同課は摘発を逃れるためだった可能性があるとみている。(御船紗子)
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル