銀行やクレジットカード会社など、実在する企業や組織を装った偽サイトにアクセスさせてアカウント情報などをだまし取る「フィッシング」。被害撲滅のためには「テイクダウン」(=フィッシングサイトの閉鎖)が有効だが、いたちごっこが続いている。
そんななか、日本サイバー犯罪対策センター(JC3)が、一般市民でもテイクダウン活動を容易にできる支援ツールを開発した。
そのツールの名は「Predator(プレデター)」。ブラウザーがベースで、パソコンとインターネット環境さえあれば使用できる。来年以降、全国の警察が防犯ボランティアらを対象に講習会を開き、利用者を増やしていく計画という。
「一般人でも、テイクダウン活動ができるとは……」
今月、全国初となるテイクダウン講習会が「札幌デザイン&テクノロジー専門学校」(札幌市)などであり、参加した学生ボランティア・若林由生さん(20)はこう語った。「操作はわかりやすく、自分でもできると思った。効率的にテイクダウンできるよう、やり方を色々試してみたい」
講習では法令の知識や事例紹介もあり、「セキュリティーへの知見が広がった」という声もあった。同校の野村航介さん(21)は「フィッシングサイトの被害が増えるなかで、テイクダウン活動できる人が増えることは意義があると思う」と語った。この日は48人が参加した。(原知恵子)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル