石川県能登地方を震源とする地震で、新潟県内では4日、重傷者2人が確認され、負傷者は重傷3人を含む34人になった。住宅の被害も、新潟市の37棟で新たに判明するなど524棟まで増えた。
県災害対策本部の4日午後3時時点のまとめによると、この日重傷が確認された見附市の80代女性は、自宅で倒れてきたふすまの下敷きになって右手首を骨折。上越市の80代女性は自宅で転倒して尾てい骨を折った。負傷者全体では前日から8人増えた。
新潟市の液状化被害 さらに拡大か
住宅被害は一部損壊が104棟増の513棟で、全壊は1棟、半壊は10棟のまま変わらなかった。液状化現象が相次いだ新潟市内を中心に確認作業が続いており、今後さらに被害が広がるとみられる。新潟市の要請を受けて県は、被災した建物の危険度を調べる判定士10人を派遣した。
花角英世知事は4日、定例の記者会見で、「災害対応は問題なく進められている」との認識を示した。「ただちに国の支援が必要なものはない」とする一方、液状化の被害が「どこまで広がるか心配」とも述べた。
柏崎刈羽原発の再稼働の議論への影響については、「致命的な問題が起きているとは聞いていない。大丈夫だったということなんでしょう」と語った。同原発では、核燃料を保管する燃料プールの水が地震の揺れであふれ出たことがわかっている。(初見翔)
「津波の避難は徒歩で」は現実的?
仕事始めとなった4日、被災した自治体の首長から地震に関する発言が相次いだ。
津波で住宅や海水浴場の小屋が被害を受けた上越市の中川幹太市長は年頭会見で、津波警報発令時の避難について、「普段から徒歩で高い所に逃げることを市民に伝えているが、現実的な選択肢として車で避難する市民が多いことも承知しておかねばならない」と語った。当時、海から離れる南の妙高市や長野市に向かう国道18号などが渋滞したとし、「主に帰省客ら県外、市外の人がどこに避難していいのかわからなかった」との認識も示した。
市は津波ハザードマップで、車での避難は渋滞に巻き込まれるとして「可能な限り徒歩で」と呼びかけている。今後、今回の避難行動などについて検証する考えだ。
長岡市の磯田達伸市長は課長級以上の幹部職員約130人を集めた年頭のあいさつで、元日から招集された全職員に対し「大変な正月になった」とねぎらった。そのうえで、「(津波)警報は解除されたが、まだ余震も考えられる。何が起きても対応できる形で仕事を進めていただきたい」と話した。(北沢祐生、白石和之)
ボランティアの募集開始
新潟市西区社会福祉協議会は4日、ボランティアの募集を始めた。市内在住か在勤の高校生以上で、6~8日の3連休に活動できる人を対象に、1日30人ほどを募っている。家屋と敷地の土砂の撤去や荷物の運び出しなどの作業にあたる。申し込みは同社協のホームページ(https://niigatanishiku-syakyo.jp)。
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル