NHKは9日、能登半島地震の影響で、石川県輪島市や珠洲市の一部地域で、地上波の放送が見られない状況が続いていることを受け、衛星放送の空きチャンネルを使って、地上波のニュース番組を伝える取り組みを始めた。チャンネルは、昨年11月末まで「BSプレミアム(BSP)」として使われていた「BS103チャンネル」(チャンネル番号は「3」)を使う。
9日午後6時から放送を始めた。「おはよう日本」「昼ニュース」「ニュース7」「ニュースウオッチ9」といったニュース番組のほか、「クローズアップ現代」や「NHKスペシャル」で能登半島地震に関連するテーマを取り上げる場合、放送する。また金沢放送局が石川県域向けに放送している「おはよう石川」「かがのとイブニング(610)」「ニュースいしかわ845」などのニュース番組なども流すという。
NHKは昨年12月1日にBSのチャンネルを再編。BS1のチャンネルを「NHK BS」に改称し、番組編成をBS1とBSPの両チャンネルを統合した内容に変更した。それに伴い、BSPでの番組放送は休止し、今年3月末に停波する。NHKの井上樹彦副会長は9日の会見で「3月まで免許があったので、できたこと。あらゆる伝送路を使って放送を届けられれば」と述べた。
総務省によると、地震の影響で停電などにより、中継局の非常用電源のバッテリーが枯渇するなどし、輪島市の一部の地域でNHKや民放が見られなくなっている。このほか、同市や珠洲市の一部では、ケーブルテレビで視聴する世帯が、関連設備の破損などで視聴できない状態が続いているという。(宮田裕介、中沢絢乃)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル