中島健
宮崎県立宮崎病院で2021年、1500グラム未満で生まれた新生児の男の子の右手親指など4本の指を切断せざるを得なくなる医療ミスが起きていた。県は約6600万円の損害賠償を支払う方針で、関連議案を16日に開会する定例県議会に提案する。
県病院局によると、男児は21年2月、極低出生体重児と呼ばれる1500グラム未満で生まれた。
宮崎病院の医師は、男児が生まれた直後から栄養補給や薬の投与のため、手の甲からカテーテルを挿入。生後6日目の2月17日、刺し換える際に、本来は静脈に挿入すべきカテーテルを動脈に挿入したが気づかず、20日に刺入部が化膿(かのう)したため抜いたが、その後壊死(えし)が進んで、3月19日に右手の親指など4本を切除した。
病院は、医療問題検証委員会を開いて原因を検証。2月18日時点で、カテーテル内で血が凝固。19日には、親指と薬指が紫色に変色しており、動脈への挿入に早く気づいていれば事態を回避できた可能性があると判断した。
嶋本富博病院長は「患者さま、ご家族のみなさまに改めて深くおわび申し上げます。このような事故が起きたことは誠に残念で申し訳ない。この事故を重く受け止め、職員一同、安全に配慮した良質な医療を提供できるよう万全を期したい」とコメントした。(中島健)
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル