国が生活保護費の基準額を最大1割引き下げたのは、政権復帰が見込まれた自民党の選挙公約への忖度(そんたく)が背景にあったと推認される――三重県内の受給者が減額の決定を取り消すよう津、桑名、四日市、松阪の4市に求めた訴訟で22日、津地裁が原告17人の訴えを認めた。10年近く裁判をたたかった原告や弁護団からは、政治判断の誤りにも踏み込んだ判決内容に「満額回答」と喜びの声があふれた。
「何なの政治は、裏金とかようけしとるのにと、苦しい生活の中で思っていた。判決にホッとしました」。勝訴の判決から約1時間後、津市内で会見した原告の一人、高岡栄子さん(77)=松阪市=は言葉を絞り出すようにして喜んだ。同じく原告の加納広生さん(72)=津市=も「生活保護費を引き下げられてからの生活は苦しくて苦しくて。今日の判決を『やっと正しいものが勝った』と聞きました」と話した。
引き下げを憲法違反だとして…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル