福岡市の繁華街・大名地区からほど近い中央区警固2丁目の一画。木の板の壁面が5階までそびえるビルがある。見過ごしそうになるほど街並みに溶けこんでいるが、実は「全国初」の建築物だという。
このビルは、老朽化した事務所を建て替えて昨年2月に完成した大手ゼネコン竹中工務店の単身寮。同社によると、床と屋根は鉄筋コンクリートだが、床を貫く柱はなく、厚さ40~50センチの「分厚い木の壁」が建物を支えている。
「木の壁」の中心部は、木の繊維方向が直交するように板を接着して強度を高めた「直交集成板(CLT)」というパネル。その周りに石膏(せっこう)などでできた「燃え止まり層」を設け、一番外側は燃えても炭化して遮熱する「燃え代(しろ)層」として木の板で覆う。
こうして、都市部のビルに求められる耐火性と、荷重に耐える力を確保している。「CLT耐力壁」と呼ばれる。
建設はまるで「積み木」
建て方も独特だ。コンクリー…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル