名古屋・伏見のオフィス街の中心で、多くの音楽家らが演奏してきたクラシック音楽専用ホールの「三井住友海上しらかわホール」が29日、30年の歴史に幕を下ろす。音響のすばらしさから国内外のプロ、アマの演奏家やオーケストラ、合唱団、市民らに愛された。閉館後はホールが入るビルごと売却される見込みだ。
しらかわホールは1994年、住友海上(現三井住友海上火災保険)の創業100年記念事業で、社会貢献活動を担う文化施設として設立された。2013年度までは自主公演も行い、14年度からは貸しホールのみになった。
アマチュアの合唱コンクールから、ピアニストの辻井伸行さんら国内外の一流の演奏家、名古屋フィルハーモニー交響楽団など地元オーケストラまで様々な演奏会を開催。これまで計4397公演を届けてきた。一方、コロナ禍などで公演数が減り、同社は、「経営状況や維持費などを勘案した」として閉館することを22年1月に発表した。
クラシックコンサートの主催やチケット取り扱いを行う音楽事務所「クラシック名古屋」の岩崎幸弘代表は「舞台にオーケストラがのることができ、プロ奏者を招聘(しょうへい)する時にも座席の規模がよい。しらかわホールに代わるものはなく、地域にとって大損失だ」と話す。
目指したのは「究極の音楽演奏空間」
1、2階、サイドバルコニー…
※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル