自衛官の募集のため、自衛隊の求めに応じて神戸市が市民の個人情報を本人の同意なく提供したのは憲法などに違反するとして、市民6人が26日、久元喜造市長の責任を問う住民訴訟を神戸地裁に起こした。
原告は50~70代の男女。訴状によると、市が昨年1月、22歳に達する市民1万4116人の氏名、住所、生年月日、性別を電子データでCD―Rに記録して自衛隊に提供したのはプライバシー権を保障した憲法13条や市の個人情報保護条例などに違反しているとして、提供作業に要した人件費など約13万円の支払いを求めている。
自衛隊法は、自治体が自衛官募集に関する「事務の一部を行う」と定めており、同法施行令は防衛相が自治体に「必要な資料の提出を求めることができる」としている。
神戸市によると、市と自衛隊兵庫地方協力本部は2020年、自衛隊法を根拠に覚書を締結。それに基づいて個人情報を電子データで提供しているという。
原告側弁護士は、自衛隊法や施行令に個人情報の提供に関する明文規定はないと指摘。「あいまいな規定を根拠に個人情報を提供できるなら、健康状態や職業、家族構成など、センシティブな情報まで提供される恐れがある」と主張している。
神戸市区役所課は取材に対し、「訴状が届いていないので詳しい回答は差し控える」とコメントした。
「除外制度」なし、他の政令市でも
原告側の調査によると、自衛…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル