【まとめて読む】患者を生きる・眠る「睡眠薬を減らす」
神奈川県の医療従事者の女性(40)は長女を出産後、夜泣きをきっかけに不眠症とうつになり、睡眠薬をのむようになりました。薬に不安を抱き、薬を減らしたり種類を変えたりしては不眠が悪化する状態を繰り返していましたが、国立精神・神経医療研究センター病院(東京都小平市)に入院し、詳しい検査を受けたことが転機となりました。
2人目出産後、不眠症に
女性は2017年8月、長女を出産した。
夜泣きに悩まされた。おっぱいをあげても、あやしても泣きやまない。寝不足で毎日ふらふらだったが、朝になれば長男(10)を起こして朝食を食べさせ、小学校に送り出さなくてはならなかった。
長女は日中もよく泣いた。ベッドに寝かせると泣くので、抱っこ用の布「スリング」で抱っこしたまま掃除や食事のしたくなどをした。肩がパンパンに張った。
8年前に生まれた長男もよく泣いたが、当時は30歳で体力がもっとあり、面倒をみなければいけないのは長男だけだった。
寝不足が続き、疲労がとれずにつらかった。長女の出産から約1カ月後、他県の実家で静養することにした。長男は学校があるので家に残る会社員の夫(44)が面倒をみて、長女だけを連れていった。お母さん子の長男を置いていくのは心が痛んだ。「ママは体の調子が悪いから、おばあちゃんたちのところでお休みしてくるね」と話して聞かせた。
実家でも夜泣きは続き、寝不足が解消しないため、2週間ほどして母(64)が夜間は長女の面倒をみてくれることになった。ところが、ベッドに入ると、長男のことなどが気になってしまい、眠れなかった。「ちゃんと寝て、体力を養わなくては」。焦るほど目がさえてしまった。
ネットで調べ、不眠に効くとされるものを次々に試した。タブレットのアプリで静かな環境音を聴いたり、朝は日光を浴びたり。散歩、ぬるめのお風呂、リラックスできそうなアロマ、サプリメント……。何を試してもあまり効果がなかった。眠いはずなのに、眠れなかった。
こんなに眠れない日が続いたらどうなってしまうのか。なぜ眠れないのか。不安や自己嫌悪が募り、ますます眠れなくなった。徹夜に近い状態が続いた。
授乳中なので薬をのみたくなか…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル