聞き手・橋本幸雄
新築マンション価格の上昇が続いている。不動産経済研究所によると、2023年に東京23区で発売された物件の平均価格は1億1483万円で、初めて1億円を超えた。東京都心だけでなく、郊外や他の都市部でも価格は上昇。利便性が高いマンション適地が減り、建設コストも上昇する中、値上がりが続く新築マンションは、一般の手の届かない存在になってしまうのか。大手ディベロッパー、住友不動産の遠藤毅・執行役員(住宅分譲事業本部営業部長)に、最近の市場動向と見通しを聞いた。(聞き手・橋本幸雄)
――首都圏で新築マンション価格の上昇が続いています。一方、供給戸数は年間約2・7万戸。1990年代半ば~2000年代半ばの年間8万戸の時代から大きく減っています。市場環境にどんな変化があったのでしょうか。
「販売する『供給側』の変化が大きいと思います。(08年の)リーマン・ショックまでは企業の遊休地の放出も多く、マンション用地は豊富で、多くのディベロッパーが販売を競っていました。マンション需要より供給が多く、デフレ基調もあって価格が上がりにくい状況が続いていました」
「転機になったのは、(安倍…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル