白井伸洋
奈良・東大寺二月堂の修二会(しゅにえ)(お水取り)で使うたいまつを、三重県名張市から運ぶ「松明調進(たいまつちょうしん)」が12日、行われた。これまでは徒歩などで運んできたが、今年は専用臨時列車で運ぶ。関係者によると、列車を使うのは約35年ぶりという。
たいまつの材料は、同市赤目町一ノ井地区の住民らが山で切り倒した1本のヒノキ。板状に切り分けたヒノキの束を、約1・5メートルの竹の棒の両端にくくりつけて運ぶ。重さは約35キロにもなる。
松明調進は鎌倉時代から続くと伝わる行事。昭和初期からは列車で運んでいたというが、35年ほど前から、奈良県境の笠間峠までを伝統的な徒歩での輸送を取り入れ運んでいた。だが、高齢化による担ぎ手不足などで、列車輸送を復活させた。一般の人にもツアー形式で輸送に参加してもらい、伝統を広く知ってもらう狙いもあるという。(白井伸洋)
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル