富山市で2018年に交番が襲撃され、警察官と警備員が殺害された事件で、最高裁第二小法廷(岡村和美裁判長)は、強盗殺人などの罪に問われた元自衛官、島津慧大被告(27)側の上告を棄却した。11日付の決定。被告を無期懲役とした一審・富山地裁判決を破棄し、地裁への審理の差し戻しを命じた二審・名古屋高裁金沢支部判決が確定する。今後、改めて富山地裁で裁判員裁判が開かれる。
被告は18年6月、富山市の交番で男性警部補(当時46)を殺害した後、警部補の拳銃で、近くの小学校にいた男性警備員(当時68)を射殺するなどしたとされる。
地裁は、拳銃を奪う強盗の意思が生じたのは「警部補殺害後の可能性がある」として、強盗殺人罪ではなく、殺人罪と窃盗罪で有罪とした。だが高裁は、被告の襲撃時の行動や供述から、拳銃を奪う意思を持って襲撃したと指摘。強盗殺人罪の成立を前提に審理し直すべきだとして、地裁に差し戻す判決を出した。
被告側が上告していたが、第二小法廷は決定で、上告ができる理由にあたる判例違反などがないとだけ判断した。(遠藤隆史)
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル