名古屋城の水堀を小型の舟で周遊し、お堀や天守を水面から見上げる――。新たな観光の目玉を作ろうと名古屋市は21日、観光船の就航に向けた社会実験をした。2026年のアジア大会までの実現を目指す。
この日、社会実験では12人乗りのモーターで動く小型船に報道陣を乗せ、名古屋城の西南、辰之口から出発。天守と石垣、桜の木が同時に見られるスポットを通り、城の西北を囲う水堀を周遊した。
水の上からしか見られない城の一面がある。高さ約16メートルの西北隅櫓(せいほくすみやぐら)には、石垣を登る敵兵を攻撃するための「石落とし」が設けられ、舟から見上げると真上から石を落とすための開閉式の扉が見える。
江戸時代に水堀を舟が運航していた記録も残り、水堀は城の北東にあった尾張徳川家の専用の庭との往復などに使われたという。
社会実験は22日もあり、有識者らも乗船する。今後、就航に向けて料金や周遊ルートなどの意見を募る。市の担当者は「新たな名古屋城の一面を楽しんでもらえる事業にしたい」と意気込む。(寺沢知海)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル