北海道の根室線は31日、富良野駅から新得駅までの81・7キロの区間が廃線となる。
列車内や駅は、別れを惜しむ地元の人たちや鉄道ファンでにぎわっている。主に1両で運行されていた列車は増結され、30日からは列車の先頭に「ありがとう根室線」と書かれたヘッドマークが装着された。
29日夜、富良野駅から現在の終点、東鹿越駅に向かう3両編成の列車に乗った。
富良野駅を出ると、国鉄時代からの懐かしいオルゴールの後、車掌の車内放送が続いた。通常のワンマン運転では、自動音声が流されていた。
5分ほど走ると、急ブレーキがかかった。次の布部駅はまだ先だ。車内放送が入る。「この列車、鹿と衝突したため、急ブレーキにて停車しました」。
空知川沿いに走るこの区間は川沿いや森の中を走る区間が多く、車窓越しに鹿を見かけることも多い。乗務員が車両を確認し、運転は再開された。
同区間は札幌や旭川と道東の帯広、釧路を結ぶ幹線の一部だったが、バイパス的な石勝線が開通してからはローカル線となり、さらには2016年に台風で一部区間が不通になってからは乗客が減少していた。(嶋田達也)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル