記者コラム 「多事奏論」 文化部(大阪)記者 河合真美江
お花見ぼんぼりが桜並木に沿ってずらり並ぶと、金沢の季節が変わる。
そして4月といえば、この街には「春ららら市」がある。兼六園近くに工芸品や食べ物の作り手、個人商店が石川県各地から集う。今年は6、7日で、被災地の能登応援をうちだした。能登の作り手を含め178店も集まるそうだ。
「声をかけると、出ます!とみなさんの気持ちが熱くて。能登のためにと盛り上がっていますね」
2011年のスタートから企画を手がける岩本歩弓さんはにこやか。自転車で走り回り、人と人をつなぎ、企画する街のプロデューサーだ。金沢の桐(きり)工芸店に生まれた。東京の出版社で働き、20年前に帰って気づいた。もの作りをするおもしろい人がふるさとには大勢いる。
コロナ禍のために春ららら市…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル